代々木ビレッジとは何か

先週金曜に代々木VILLAGE(ビレッジ)がオープンした。小林武史、大沢伸一プロデュースで注目を集める商業施設だ。

代々木といえば予備校の街、という印象の人が多いだろう。代々木VILLAGEはその代々木ゼミナール本校跡地の再開発にap bankなどやkurukkuを手がける小林武史に声がかかった、という経緯。

レストラン「code kurukku」を核に10テナントが入る634坪の大規模施設。コンセプトを小林武史、トータルデザインはNIKE原宿やUNIQLO海外旗艦店のデザインで知られるインテリアデザイナー片山正通、ランドスケープデザイナーとして、兵庫の植物生産卸業「花宇」の西畠清順が担当する。

メインとなるレストラン「code kurukku」のプロデュースは京都で評価の高いイタリアン「イル・ギオットーネ」オーナーシェフ笹島保弘を招いた。更に併設された「MUSIC BAR」には小林や大沢伸一がセレクトした音楽が流れる、という趣向。

核となるものがない街代々木に各界の大物が揃って何をするんだろう、ということで早速行ってきた。代々木ビレッジとは何なのか?

代々木ビレッジとは…多彩な植物園である

代々木ビレッジの印象を他の商業施設と分けるもの、それは奇木の数々だ。東京ドーム3.6個分の広大な敷地に100本植えられている。

▼例えば、推定樹齢500年のオリーブ。日本で500年前と言えば江戸幕府ができた頃。

▼ジュラシック・パークかと思う巨大な鉢も吊るされている。

▼中央の一等高い木、なんとまだ子供で育つと5倍にもなるという。ノアの箱舟に使われたとされる「ストリクタ」という種。このように解説板が詳しいので見てまわると楽しい。

これらを手がけたのは花・植物生産卸業“花宇”5代目、西畠清順。彼は「プラント・ハンター」を名乗って活動している。顧客の依頼を受けて必要があれば密林や山岳から希少な植物を見つけてくる、なんて漫画の主人公みたいだと思わない?

あまり聞き慣れない、清順さんの「プラントハンター」という仕事は、基本的にはお客さんから依頼を受けた植物や花を探して仕入れ、納品する仕事。
全国から集めた植物を、注文に応じて仕立てたりして出荷しています。
国内だけでなく海外までも出向いて、日本に入ったことがない希少な植物を見つけて出して輸入することも主な仕事です。
http://www.eeie.me/voice/graf/vol004/chapter2/

運が良ければ「そら植物園」で西畠さんに会えるだろう(写真ちょんまげの人物)

代々木ビレッジとは…レストラン「code kurukku」である

代々木ビレッジに10テナント集合していると言っても他がコンテナショップなのと比べレストラン「code kurukku」の気合の入りようは別格。

(小林武史のインタビューより)
笹島保弘さんは、「ap bank fes」のフードエリアに出店者として参加してくれた人で、有名な京都のイタリアンシェフということで僕のスタッフの間でも話題になっていました。僕が実際に彼の料理を食べたのは今年の震災後のこと。震災のために延期になってしまった「Mr.Children」の振替ライブが関西であり、その時にふと思いついてランチを食べに行ったのがきっかけでした。声をかけたのは、彼のお弟子さんが作ったのにもかかわらず、あまりにも美味しかったのが全ての理由です。それまで考えていたプランを変更して彼にお願いし、そして快諾していただきました。本当にクイックなやり取りでした。
http://www.fashionsnap.com/inside/yoyogi-takeshi-kobayashi/

▼「code kurukku」へのアプローチ。

▼「code kurukku」の外観。来年暖かくなったらテラス席が楽しみ。

▼インテリアデザイナー片山正通氏が内装を手がけた店内を拝見。デザインと機能性が両立したモダンな感じ。

▼「code krukku」のランチメニュー

▼「code kurukku」併設の「MUSIC BAR」。小林武史・大沢伸一らが選んだ音楽が流れるという。

▼奥のソファ席、雰囲気良さげ。営業は18時から。

代々木ビレッジとは…専門店の集合である

飲食系でいうと昼は稲庭うどん、夜は手羽先を出す「TAKOYOYOGI」、コーヒースタンド「Roots & Beat coffee」、フレッシュジュース&スープ「drink & soup kurkku lab」と手軽な飲食系、入り口脇には湘南にある自家製酵母と石窯ピザのベーカリー「POURQUOI?(プルクワ)」とコラボした「pour-kur(プルクル)」が入っている。

▼コンテナショップエリア

目玉はプルクワとkurukkuがコラボしたベーカリー「プルクル」だろう。湘南で評価の高いプルクワ、そしてパン屋空白地帯の代々木にできたという二点でポイントが高い。

▼「プルクル」のパニーニ バジルチキン

▼「プルクル」には行列ができていた

感想

飲食については「code kurukku」には関西の有名なイタリアンが入るということで期待していた。食べログなどを見るとは味はともかく開店直後で接客がイマイチ、との評だが落ち着いた頃行ってみたい。

パンの「プルクル」はレベルが高いので日常使いできる。これを入り口すぐに置いて賑わいを出そうとしているのは正解。

良い意味で期待を裏切られたのは冒頭で触れたとおり西畠清順による植物園。見たことがない種類の木が一度には見きれない本数あるので春や初夏の夜に解説板を読みながら散歩するのが楽しみだ。