夏の装いとともに気になるのが「手ぬぐい」。
突然の雨にぬれているところへ浴衣姿の女性がスッと差し出してくれたら、一瞬で恋に落ちてしまいそう。
そんな妄想はさておき、手ぬぐいは薄手の生地で濡れてもすぐに乾いて大判なので物を包むのにもよく、そのくせコンパクトにたためて場所いらず。鞄の中に1枚常備しておくと良いアイテムなのだ。
日本橋人形町にある「手ぬぐいのちどり屋 人形町本店」は2007年にネットショップの実店舗としてスタートした。戸田屋商店、気音間、かまわぬ といった老舗手ぬぐい店の商品のほか、オリジナル商品の展開にも余念がない。使用するのはもちろん、コレクション用途で買い求める客が多いのもうなずける話だ。
▼「ちどり屋」ということで千鳥マークのてぬぐいも複数展開している
同店の手ぬぐいはすべて注染(ちゅうせん・そそぎぞめ)という手法で染められたものが販売されている。木枠に張った生地に糊付けし、染料を注いで丁寧に染めてゆく。表が終わったら次は裏を染めて… まさに熟練の職人の手仕事の結晶。大量生産できるプリント生地とは一線を画している。使い込むほどに柔らかくこなれてくるのはこの染めに由来があった。
人形町界隈は古くから残る街並みが歩いていて楽しいスポット。同店は東京メトロ日比谷線人形町駅から徒歩1分、また半蔵門線水天宮駅からも徒歩3分と立地も良いので散策がてら訪れてみるのもオススメだ。