地域の特産物をいかに売り出すか、を考える

全国商工会連合会さんがオープンした地域の特産物応援プロジェクト「ニッポンセレクト.com」のAMNブロガーイベントに参加してきた。地方の中小企業・小規模事業者単体では難しいプロモーションをニホンセレクト.com側でカメラマンやフードコーディネーター、コピーライティングを入れてプロモーションを支援していこう、というECサイトが立ち上がっている。

参加した背景

原宿・表参道エリアのブロガーがなぜ全国各地の特産物を応援するプロジェクトのイベントに参加したのか?。まず原宿・表参道というのは流行の発信地。そのため大企業の広告予算を使ったものから行政・商業施設の企画、飲食店のオープンまで人より多くのPRを見ている。

地域活性化施策ということでは都道府県のアンテナショップの中でも成功している表参道・新潟館ネスパスもある(年間100万人 -急拡大! アンテナショップの追い風は“大河”:プレジデント)。

またこのブログから独立させた 原宿パンケーキ速報で扱っているパンケーキ店、これは小規模事業者が多く今回の地方の企業・事業者さんと同じ悩みを持っている。つまり資本がある所のように大規模なレセプションを開催したりプロカメラマンで宣材を撮ったり広告を打ったり、そういうことはできないし手が回らない、という状態。

だから今回全国商工会連合会さんが「地域の特産物応援プロジェクト」をされると聞いてどうプロモーションされるのだろう、と興味をもった。

「ニッポンセレクト.com」とは

全国1600以上の商工会を束ねた全国商工会連合会、その大きなミッションの一つ地方活性化施策の一環で立ち上げられたのが「ニッポンセレクト.com」。地方の中小企業・小規模事業者が生産する逸品を紹介するECサイトで小売もするがBtoBにつながる場としても期待されている。プロジェクトが12月にスタートして2/5にオープンしたばかりで3月中に1000商品に達するハズ、とのこと。かなり急がれたはずで担当者の方はお疲れ様でした。

▼URLは「ニッポンセレクト.com」ではなくhttp://www.nipponselect.com/なので注意。
NIPPONSELECT_com_ニッポンセレクト_com|全国商工会連合公式ショッピングサイト

運営者の方への私信になってしまうが幾つか個人的な感想を。

いい写真を撮るには、事前のセッティングが嬉しい

当日10種類以上の商品をご用意いただいて試食もさせていただけたのでブロガーさんも喜ばれたと思う。その上での話。当日、紙皿に各自で取り分けたり…という感じだったのだが撮影用に見栄え良くセッティングしたブースを一式用意しておいていただけると写真、全然違います。飲食店のレセプションなら、割と普通に行われています。

商品写真にはカメラマンやフードコーディネーターを入れてという話を強調されていたのでセッテイングするかどうかで全然違う、ということを理解されているはずなのに勿体ない。

例えばカレー/ハヤシライスの撮影場所を探してみなさんうろうろされていたがこれは運営側で撮影用のセットを用意しておけば良いでしょう。
#ちなみにこのハヤシライスが当日一番美味しかったです。

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同じく紙皿の漬物を美味そうに撮る、というのは普通の人には難しくて和食器の小皿に立体的に盛っておくと雰囲気が出る、そういうセッテイングも事前に可能だったかと思う。

これは大きい会社や専門家でなければできないことではない。例えばFelica Spico(料理の写真教室)を受けてクックパッドが教えてくれた食べたい!と言われる料理写真テクニック という記事を書いたけれども知っていればお金をかけずにできること。

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親しくない相手にはこういうことは書かないので一週間ほど悩んだのですが「ニッポンセレクト.com」の担当者さんも熱意をもってあたられているようだったので書いてみました。

もう一歩踏み込んだストーリーを

ECサイトとして楽天やAmazonと機能や価格での差別化は難しい。その前提で地域を活性化させたいと頑張っている人たち、そのストーリーを応援するために買って欲しい、とのことだった。例えばパプリカ生産量日本一の山形県。生産地の遊佐町では若い人に地域に残ってもらいたい、戻ってきてもらいたい。そのためには産業が必要で「ニッポンセレクト.com」でスパイシーカレーが売れれば雇用ができる、というストーリー。これが伝われば差別化できる。

そのために私としては今の「ニッポンセレクト.com」からもう一歩踏み込んで欲しい!

例えば種子島特産! 安納芋 焼き芋という商品。「話題の種子島特産安納芋」と大きなキャッチコピーが踊っている。しかし「何が話題なのか?」は書かれていない。ふーん、で終わってしまう。勿体ない!!

例えばてらおか風舎の能登牛カレー 辛口という商品。キャッチコピーには「希少な能登牛の奥深い旨味とコク」。希少ってどのくらい希少なの?能登牛の特徴は?説明が欲しい!!

例えばデリシャストマト丸しぼり。「幻の玉光デリシャストマト丸しぼり」。どう幻で玉光の特徴は?…説明が欲しい!!

AMNに参加しているブロガーなら調べて書けるけれども「幻の玉光デリシャストマト丸しぼり」という言葉だけ与えられても中々書けないでござる…
参考:糖度8度、栽培困難なため「幻のトマト」と呼ばれた「玉光デリシャス(デリシャストマト)」。  お取り寄せグルメ『服部幸應のお取り寄せ』はっとりよせ.com

…ということでカメラマンやフードコーディネーター、コピーライティングを入れた、ということならなぜこの商品が逸品なのか?どんなバックストーリーがあるのか?もっともっとアピールできるはず。

見本を出してしまえば原宿で有名なセレクト雑貨の店AssistOn。おとだるま | AssistOn。旭川の木工雪だるまにこれだけの写真とテキストが書けるんです。

現地レポーターは一つのチャンス

もう一歩踏み込んだストーリーを、という点については今後予定されているブロガーを現地に派遣するレポーターでAssistOn顔負けに深く掘り下げて貰うことで解決できるかもしれない。成功事例ができればプレスリリースやBtoBへ展開することも可能になるだろう。

一つのチャンス、と限定したのはブロガーが紹介できるのは一部の商品にすぎずニッポンセレクト.comの各ページに買わせるストーリーが載っていて欲しい、という趣旨。

サイトをオープンしたばかりで走りながら充実させていく所だと思うので現場のみなさん、応援しています。