原宿明治通りの自転車ショップで竹製の自転車フレームが展示・販売中と聞いて見てきた。自転車専門店「F.I.G bike原宿店」が1月からザンビアの自転車ソーシャルベンチャー「ZAMBIKES(ザンバイクス)」の竹製自転車フレームの販売を始めたものだ。
「F.I.G bike原宿店」を訪問した所話題になっているそうで各種メディア、販売を知らなかったザンビア大使館などからコンタクトがあり、連日5-6人が竹製の自転車フレームを見に来店していると語ってくれた。
そもそもザンビアって?
ザンビア共和国はアフリカ南部にあり世界三大瀑布「ヴィクトリアの滝」があることで知られている。人口1200万人だから東京と同人数が人口密度14人/km2に住んでいると言えば想像できるだろうか。ザンビアは豊かな自然の一方アフリカの中でも最貧国でもあり人口の6割以上、約700万人が1日1.25ドル以下(世界銀行が定める貧困ライン)で暮らし、失業率は50〜80%に達する。主産業は銅でWikipediaによると日本の十円硬貨にもザンビアから輸入した銅が含まれている。
今回紹介する「ザンバイクス」は人々に移動手段を提供するともに雇用を生み出すソーシャルベンチャーとして立ち上げられた。ザンバイクス社はこの5年で、のべ100人以上の雇用を産み、自転車1万台以上、救急自転車1000台以上を生産供給した(同社冊子より)というから立派なものだ。
竹製ロードバイクフレーム「ザンバイク」実機写真
では国内で3台しか組み立てられていないというザンバイクの実物を見ていただこう。想像していたおもちゃっぽいものではなく、真面目なロードバイクのフォルムだと思った。「売約済み」とある通り実際に買い手が付いたそうだ。
価格は税込9万9750円〜だがフォーク/ハンドル/ペダル/ギア/車輪などは別売なので組み立てると倍以上になると思われる。
竹がしなるのはわかるが強度や雨に対してはどうか、という点。
バンブーバイクの材料となる竹は、ザンバイクスの工場裏で3年程生育された、アフリカ特有の強く強度の高い竹から適したものを選び、カットして安定剤(乾燥を速め切口の割れを防止します)に24時間つけた後、数カ月乾燥させます。
とのこと。更に強度を要する部分にはアルミを組みあせ、「竹パイプの接合には、木工ボンドで仮留めした後、エポキシ樹脂に浸したサイザル麻の繊維をきつく巻きつけて固め、強力に固定」とのことで十分実用的なものになっているようだ。
竹って節が強度高いのだがその部分を負荷のかかる場所に持ってくるなど配置も工夫しているという。
試乗した方のお話ではもちろん競技志向のロードバイクには精度など及ばないがダイレクトな反応を楽しめたり信号でわざわざ窓を開けて話しかけてくる運転手さんがいるなどコミュニケーションのきっかけにもなったという。
ザンビアのザンバイクス、竹製の自転車フレーム日本投入
ソーシャルビジネス(社会的事業)を手がけるザンビアのザンバイクスは、竹製の自転車フレームを日本で発売した。竹の特徴である軽さと強じん性を兼ね備え、衝撃吸収性も高い。ロードバイクやクロスバイクなど幅広いタイプに組み立て可能。価格は9万9750円。自転車専門店、フィグバイク(東京都渋谷区)で販売するほか、インターネット(www.zambikes.jp)でも受け付ける。
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120120130dbab.html