山手線ホームへの青色LED設置は自殺防止に役立つか

JR代々木駅で乗り換えるときに、ホームの端に見慣れない青い光を見かけた。青色照明だ。

中央線が有名だが火事と喧嘩は江戸の華、人身事故も都内の皆さんにはおなじみだろう。その自殺防止に青色LEDが役立つという。

気になって調べてみたので簡単にメモする。現在、JRに問い合わせ中。

まずJR山手線の青色LED設置については2009年9月に報道がある。同記事によると都内JR駅での自殺者数は2006年度42人、2007年度58人、2008年度68人とのこと。毎月5-6人ペースだから毎週どこかで人身事故が起きていることになる。

山手線全駅ホームに「青色LED」の自殺防止照明

【9月17日 AFP】JR東日本(East Japan Railway、JR East)は17日、山手線全29駅のホームに、自殺防止対策として青色の照明灯を設置すると発表した。

JR東日本によると、青色の発光ダイオード(LED)はすでに7駅に設置が完了しており、10月末までに山手線全駅への設置を終える見込み。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2643085/4610550

スコットランドのグラスゴーで青色防犯灯を設置したら犯罪が激減?

そもそも青色LEDの設置が進んだのはスコットランドのグラスゴーで青色防犯灯を街頭に設置した所犯罪が激減した、という話が話題になってからだという。

例えば青色光下では静脈が見え難く注射を打てなくなったことから、麻薬常習者が約40%減少した、ということで麻薬常習者対策という効果が大きかった(参考)これは納得できる話だ。麻薬常習者がゴロゴロいるような治安はそもそもどうかと思うが、グラスゴーの取り組みがクイズバラエティ(追記:日本テレビ系、まさかのミステリー、2005年5月6日)で取り上げられたことが日本で導入が始まったきっかけである。

日本では05年に奈良県警が導入を進めたところ、1年後に周辺の夜間の犯罪認知件数が約9%減少した事例があり、2008年時点で37都道府県と全国的に広がった。効果についてはアナウンス効果による住民の防犯意識の向上が大きかった、ということで青色照明を設置すれば犯罪が減る、という単純な話ではないようだ。

鉄道ホームにおける自殺防止対策としての青色LED導入

これまで述べてきたように青色照明は特効薬では無いが、人身事故に頭を痛めていた鉄道会社が駅ホームへ設置する動きが進んでいる。

2008年に京浜急行が”「自殺を1件でも減らすため、できることはなんでもしてみようと、わらにもすがる思いで始めた」(同社鉄道本部安全対策担当)”という経緯で横浜の弘明寺駅でホームの端の照明8基を青色に変えた所自殺件数が減った、という明確な効果があったことがきっかけ。

読売新聞はJR西日本や東名インターでの事例についても報じており、一定の効果があるのは間違いないようだ。

また車が強引に踏切を渡るケースが後を絶たず、頭を悩ませていた同社は、2006年12月以降、大阪府と和歌山県を結ぶ阪和線などの踏切計38か所に青色照明を設置。その結果、夜間の車の踏切事故がゼロになり、飛び込み自殺もなくなったという。

(中略)

名神高速・養老サービスエリアのゴミ箱近くの照明を青色に変えたところ、家庭ゴミの不法投棄が2割以上減少したともいう。