震災から1年経った今、数々のデマを冷静に振り返ってみようか

昨年末に発売になった「IT時代の震災と核被害」という書籍にhara19.jpのインタビューが掲載されました。この記事はずっと下書きのままでしたが震災から一年経ちますし自分なりに数々のデマを振り返ってみようと思います。皆さんが見た数々のデマ、今なら冷静な滑稽だと振り返ることもできるでしょう。

本サイト「原宿・表参道.jp(以下hara19.jp/はらじゅくどっとじぇーぴー)」は原宿・表参道エリアの地域ブログですが震災後しばらく震災関連のデマ検証ブログとして多数の検証を行っていました。

デマ・チェーンメール検証を行った背景

例えばhara19.jpで取り上げたデマだけでもこれだけあります。デマの定義や拡散・収束構造については既に各種研究がありますので特に触れません。

節電を呼びかけるチェーンメール/コスモ石油火災により雨で有害物質が降るデマ/阪神大震災で強姦が多発という話/支援物資募集関係のデマ・チェーンメール/募金詐欺(国内、海外)、溺死した死体が流れ着いている画像のデマ/米空母ロナルド・レーガンの甲板に「はじめまして」の文字のデマ/辻元清美氏が阪神大震災当時に「自衛隊は違憲です。自衛隊から食料を受け取らないでください。」との批判ビラを配ったとするデマ/舫氏が「百年に一度の災害にそこまでの大金投じる意味あるんですか?」と発言したとするデマ/糸柳のデマ/尾田栄一郎氏が15億円寄付したとするデマ/自衛隊が物資の空中投下が認められていないという話/茨城県知事が災害派遣要請を出してないというデマに触れている。/農水省は明日の出勤を禁じた、というデマ募金詐欺と緊急地震速報速報を装った迷惑メール/原発でメルトダウンがおき、もう爆発を遅らせることしかできない、というデマ/大震災義援金をネタにした振り込み詐欺/枝野官房長官105時間ぶりに就寝、というネタ/ポケモンやサンリオのデザイナーが津波で死亡、というデマ/トルコが100億円支援、というデマ/放射能対策でヨウ素を含む消毒剤を飲んではいけない、という話/静岡ガンダム崩壊はデマ/鳩山前首相が九州で「原発から半径200キロは住めない」と発言したというデマ

単独記事として書いたものは以下です。辻元氏に関しては秘書給与問題というスネに傷持つ身なので特に大量のデマが流れていました。そう、氏を揶揄するとき枕詞のようにつきまとう「阪神大震災のときに、辻元清美が「自衛隊は違憲です。自衛隊から食料を受け取らないでください」と書いたビラをまいた」、という話は99%デマです。2chや政治的攻撃したい人々がいくら探しても肝心のビラの現物が出てこない、ということから判断していただければと思います。

3.11当日、私は原宿で勤務中でした。

最初の揺れを乗り切ったので命はもう大丈夫だな、と思ったのを覚えています。それで、隣の10何階以上もあるビルがしなるのを眺めていたら社として退避することになり荷物一式持ってそのまま解散、となりました。夕刻になるまで解放されなかった企業が多い中早い判断をしてくれた経営陣には感謝しています。

情報源としてはTwitterが主でした。普段から人より観測範囲が広いので企業や商業施設の帰宅支援情報をRTしつつ自分も移動を開始しました。

電車は止まっていました。
震源地は東北だから安全確認が取れれば夜には動くだろうという目算の元、原宿から明大前へ移動しご存知のようにJRが終日動かないというアナウンスが出てこれは多摩川渡れないね、ということで知人と合流すべく秋葉原へ移動しました。回り道したとはいえ12kmを7時間かけて歩いた帰宅困難者でした。甲州街道の新宿方面からの人の波とか凄かったですね。

余談として今後想定されている首都圏直下型地震の初動で命が助かっていたなら周辺避難所(青学や代々木公園)で一晩過ごすつもりです。状況が良くわからない中での移動は疲労の割に翌朝普通に電車が動いていたりして無駄でした。

▼裸足で出てきてしまった人もいました。(注:その後の避難ができませんから裸足は危ないです。東京でもそのくらいの揺れだった、ということで)
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▼明治通りが避難に出てきた人で溢れました
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ところが、Twitterを見ていると何度も同じデマが回って来るわけです。何度も何度も何度も。
一つ一つ対応していたら切りがない。ということでブログの方で検証記事を書くことにしました。否定するだけだと根拠がありませんから読んだ人が合理的な思考の人は同じ結論になるだろう、というソースを付加しました。

また私は96年からインターネットを使っていますが、かって鉄鋼や自動車産業がそうだったように自分たちの世代の産業が興っていくワクワク感で飛び込んだ口ですから基本姿勢としてインターネットの可能性を信じています。そのネットがデマの拡散に使われるのは残念ですから打ち消すカウンター側へ意図的に回った側面もありました。

例えばTwitterの特質として拡散も早いが収束も早いという点があげられます。多くの人が騒ぎ出す頃には打ち消すTweetが既に流れています。そして収束過程では打ち消すTweetの方が拡散力が弱いんですね。検証する側は証拠を一つ一つ示さなければいけないから手間もかかります。その間デマは流通し続け、無用な怒りや混乱という社会的損失を発生させました。

ということで順番前後しますがhara19.jpでデマ検証記事を書いた理由をまとめます。

  • 家まで7時間かかった帰宅困難者として当事者である
  • デマが引き起こす不安や怒りや混乱のパワーは別の所に回すべき
  • ネットの可能性を信じているから。ポジティブな要素もネガティブな要素もあるが総体としてはポジティブな面が多い。

デマ・チェーンメール検証記事の反響

結果的にデマ・チェーンメールの記事はYahooトピックスの「震災関係の迷惑メール」からリンクされるなど関連記事を合わせ累計10万PV以上のアクセスがありました。

印象的な反響を挙げると2つあります。

1つ目は政治家に関するデマをこの機に応じて嬉々として拡散する政治的攻撃です。政権が民主党ですから結果として自民または自民支援者によるものが多いですがtweetに出てくる地名からして九州の人がやっている事例があってこれには呆れました。。安全な所から何をやっているんだと。

2つ目は「女性は弱い立場なんだから配慮して」という抽象的な反応です。
抽象的すぎてどう対応して良いかわかりません。女性だからと一般化はしませんが事実を否定しただけなのに人格が否定されたように感じてしまうのかもしれません。

例えば「石巻で外国人窃盗団、強姦横行というデマ」という記事を書いていますけれど横行と言ったら例えば自分が目にするとか直接の友人が被害に合うとかそういう状況を指す訳で1年経った今振り返ってみてそういう状況でしたか?

(ちなみに震災後流れていたレイプに合うぞ気をつけろ、というtweetの元ネタはほぼ全て「あれから10年 ── 言いたいことがいっぱいあった!性を語る会代表  北沢杏子」からなのでこの拡散過程は誰か調べて欲しい所です。)

阪神大震災でレイプが多発したという話があって、これはジャーナリストが否定する検証を行った本がジャーナリストの賞を取っている話なのですが上記の「性を語る会」さんも当時取材を受けていて今頃になってなぜやっぱりあったんだ、と主張されているかちょっと背景はわかりません。

いずれにしても治安が通常より悪化するのは事実ですから女性は通常より気を付けるべきですが同僚なり彼氏なり家族なりが当たり前のようにやるべき話で強姦されるぞなんて脅しを拡散して効果があるのか私には今でもわかりません。参考:http://togetter.com/li/110490

『阪神大震災で強姦が多発』がデマである事を明らかにしたのはジャーナリストの与那原恵氏。同調査は1996年に『被災地神戸「レイプ多発」伝説の作られ方』として発表され(「物語の海、揺れる島」に収録)、雑誌ジャーナリズム賞(注:Wikipedia参照)を受賞した。

阪神大震災で強姦が多発という話は、神戸新聞に「性的な暴行を受け、悔しさや体の不調などを訴える電話も約三十件あった」という報告した人物が元ネタらしい。ところがそれ以外の関西の「ウィメンズネット」「被災女性を支える女たちの会」「性暴力を許さない女の会」「みずグループ」「犯罪被害者相談室」その他の団体ではレイプに関する相談はなかった、とという事実からこの人物だけ突出した相談件数であることが明らかになった。さらに本人に直接インタビューすると次のようにあやふやな答えしか返ってこなかった。

http://d.hatena.ne.jp/nankin/20070217/p1

書籍「IT時代の震災と核被害」について

ちょっと力尽きたので続きは書籍でどうぞ。震災におけるIT関係の様々な活動の検証になっているそうなので

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